壁埋 まり夫
人は身体の特定の部位を特定の方法で刺激されることで明確な性感を感じる場合があり、これを性感帯と呼びます。その部位も刺激の手段も人それぞれに違った好みがあり、性感帯の数やそこで性感を得られる度合いも様々です。一方で少なくない人が、性感帯を利用する主な場面は相手を攻める時、つまりセックス等における愛撫を行う時だと考えています。愛撫する側のテクニックやお互いの関係性によって増減する面はあるものの、性感帯への刺激は自分で行うより相手から受けた時の方が気持ち良いというのが体感的に知っている人もいるでしょう。しかし、中には「相手から気持ち良くなるはずだと言われて刺激されるものの、その部位の気持ち良さがわからない」という悩みを抱えている人もいるものです。
そこで今回は、いくつかの代表的な性感帯と、そこでどう気持ち良くなっているのかという具体例を紹介しようと思います。愛撫される(する)際や自己開発でのきっかけとして参考になれば幸いです。
性感帯開発には元々刺激に対して敏感な部位を開発すると良いのですが、その中でも乳首は「最初から、ただ触れられているだけではない刺激を見つけやすい」部位の上位に入ります。衣類との優しい摩擦でむず痒いようなそわそわする感覚を意図せず感じた経験がある方もいるでしょう。また、自己開発する場合の成果が短期間で出やすいのも特徴です。
感じられる刺激としては、最初期は他の部位よりも強い接触感やむず痒さ、刺激を得た後に数秒続く痺れるような余韻、そのうちに乳首から胸部や股間へ快感が広がる連動感、気が付けば乳首への刺激を感じている間は若干何も考えられなくなるような甘い性感へ…といったような変化で感度が上がっていきます。
アナルではなく臀部全体です。おしりについては触れる快感とおしり全体を揉まれる快感がそれぞれにあり、座り仕事や長時間の着座など圧迫の刺激に対しては慣れている部位ですが、優しい接触や比較的強い揉みほぐしを受けると目の覚めるような強い性感を得られる場合もあります。揉みほぐしによる快感については、性的ではないマッサージでおしりを揉まれた際にこっそり気付いた方もいるでしょう。
接触での快感についてはとにかくフェザータッチで、ゆっくり優しく「おしり全体を広く」触るのが効果的です。仙骨付近、側面付近、股間の近く等、おしりの中でも感じ方が変化するのでそれも気持ち良さとして楽しめます。うつ伏せで触られていて、思わず背筋が力んで背中が反ってしまうようなら性感帯としてはすでに十分です。比較的刺激に強い部位でもあるので、爪でさりさりと撫でるのも刺激的です。
また、揉まれる快感については掴んで揉むだけでなく、骨を避けて拳や肘を当ててピンポイントでおしりの筋肉を圧迫するように刺激してみると新たな快感を見つけられます。そもそもマッサージされて心地よい部位でもあるので、セックスに限らずちょっとしたスキンシップの範疇で快感を楽しむプレイにも良いですね。
くすぐりに耐えるのは拷問の一種に例えられるほど苦しいものである一方、人によっては特定の部位へのくすぐりに対して、それを跳ね除けたい衝動と同時に性感も感じるケースがあります。足の裏については優しくゆっくり撫でる事で、笑ってしまうくすぐったさとはまた違う刺激が起きます。この刺激は特にくすぐりに弱い人ほど強烈なもので、天を仰いで「おあーーーー!」などと言いながら全身が硬直するようなガツンと来るものです。あまりに強い刺激なのでこれを性感として受け取れるかどうかは難しい面もあるのですが、非日常的な刺激で我を忘れるという点においては性器に並ぶ優秀な部位になり得ます。
この刺激は足の裏だけでなく足の甲でも大変強く感じられ、足の甲へのフェザータッチで飛び上がるような強い感覚を覚える人も少なくありません。足の甲はそもそも他人に触らせる機会もない部位ですから、そこを触られている・触れさせているという状況から興奮できるという側面もあります。また、冷え性の人は足に相手の体温を感じて心地よさを感じるケースもあります。
刺激のコツとしては、くすぐったさで逃げてしまうなら刺激としては強すぎで、どんどん弱くしていく事です。撫でるのではなく指の腹をただ乗せているだけ程度の刺激でも十分な場合もあります。ただし、中には本当にどうやってもくすぐったくて耐えられないという人もいますので、無理強いはやめましょう。
唇はキスする際や、相手の身体へ触れるのに手指の代わりに使う形で相手の身体と触れ合うのが主な刺激となる部位ですが、ここも特にゆっくり撫でるとぞわぞわするような性感が起きる部位です。いま試しにあなた自身の薬指の腹で、唇の端からもう一方の端までたっぷり5秒使って優しく撫でてみれば、指が通り過ぎた箇所のいずれかにむずむずとした刺激が余韻として残り続けるのを実感できると思います。もう一度さらに弱く撫でれば、早い人なら口元が震えるような性感を発見できているかも知れません。
触った部位に余韻として性感が残るのは気持ち良いものですが、唇は特に余韻が長続きする部位のひとつです。相手に触ってもらうのも良いですが、自分で触った時こそその余韻を最大限に楽しめるかも知れませんね。
刺激方法は接触だけでなく吐息等での風圧を利用するもの、声や音を使ったASMR的な刺激も成立する部位です。性感帯としてよく認知されている反面、感じない人はまったく感じないという落差が大きい部位でもあります。他の部位と同じく基本的には優しい刺激が性感に繋がりますが、耳に限っては甘噛みや舐める等の強めの刺激で強い興奮を呼び起こされる人もいます。一方で、口を使った攻め自体は良くても「耳が唾液で濡れるのは絶対に嫌だ」と濡れる事への明らかな不快感を持つ人も少なくありません。これは好みの差ではなく嫌がる事を強要してはならないというルールの話なので、耳を口で愛撫するシチュエーションがあれば必ずその時点で唾液で濡れても構わないかどうか確認するようにしましょう。
どんな刺激で性感が起きるかもそれぞれですが、上手く感じられると首をすくませ全身が震えるような素晴らしい快感が耳から広がります。
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いかがでしたでしょうか。今回ご紹介しなかった全身各部においても、肩、二の腕、内腿、おなか、首筋、手の平と手の甲、フェイスライン等々が性感帯として成立し得ますので、まずはご自身で全身を一通りそっと撫でてみるところから性感帯探しを始めてみてはいかがでしょうか。また、ちょうど今の寒い季節は相手との触れ合いに人肌のぬくもりという快感要素が上乗せされるので、優しい触れ合いを快感として感じやすい面もあります。愛撫に活用するのも、オナニーする際の性感増強に活用するのも良いでしょう。あなたの性感帯が2023年にひとつでも増えることを願っています。それでは良き性感帯ライフを。
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