ところで、Gスポット責めに適した体位は、どんなものがあるでしょうか?
SMビデオからは、いわゆるM字開脚ポーズ、あるいは、まんぐり返しポーズなどが潮吹きに適したポーズのような印象を受けます。
ところが実際は、ああしたポーズだと、本当にGスポットでイク時には、非常な力が瞬間的に固縛された脚や腰、腕などに掛かって、予想しないような苦痛を女性が味わうことになります。
別の見方をすれば、SMビデオで、潮吹きに至る、いわゆるGスポット責めは実は本当のG感覚を伴っていない、表面的なもので終わっている、という辛口の見方さえできるのです。
もちろん、中には本当にG感覚に達している場合もあるでしょうが、そうした場合は、モデルさんの苦痛は想像して余りあるものがあります。
もし、日常のプレイでそういう苦痛経験がGスポット体験の初体験に重なると、それ以後Gスポットでは二度と快感を味わえなくなる恐れが多分にあります。
本当のGスポット絶頂は、全身の筋肉がほとんど石のように固くなるほどに、緊張が漲ります。
分娩の際、産道を胎児の頭が回転しながら出てくる最後の息みの瞬間とも比較できるほどの力が、全身を貫くのです。
そんな時に固縛されていては、女体はたまったものではありません。
G感覚に馴れ、相当に経験を積んだ後にはある程度の固縛もよいでしょうが、最初の内はロープ無しで入りましょう。
固縛無し、というと、「それではSMにならないではないか」との批判も予想されます。
けれども究極のSMとは、女性が自分の意志で、悶え動きたいのをひたすら堪え、我慢する、そして、我慢に我慢を重ねて、最後に、溜まりに溜まり抜いた欲情を一気に爆発させるものだと言えます。
固縛は、女性がまだその自らに耐えるという域に達していないのを外的に補佐する手段に過ぎません。
もちろん、緊縛美の鑑賞、という側面も忘れてはなりませんが、動的な動きの流れの中でSMプレイを捉えると、結局、究極的には、ロープ無しの責めこそが最も奥の深い責めであることが分かります。
そもそも、Gスポットでイク、イキっぷりというのは、見ていても胸が息苦しくなるほどに、凄まじいものです。
若い男性なら、その様子を目の当たりにするだけで、ペニスに全く触れることなく、射精に及んでも不思議ではありません。
それほどに感動的で、生々しいものです。冒頭に書いた、Gスポットを巡る神秘性の源泉も、あるいは、こんな所にあるのかもしれません。
「女性がイクというのは、こういうことだったのか…」と、改めて感心し、納得するほどです。
「今まで、何度もイカせたつもりだったのは、あれは、一体何なんだったろう?」と反省させられる一瞬でもあります。
よく、SM小説に、「イクーっ!」とか、「ああ、もう、だ、だめーっ!」などと嬌声を発しながら、イク場面が描かれていますが、あんなのが嘘っぱちだということは、Gスポットで本当にイッタ女性を見ればたちどころに分かるで
しょう。
もちろん、イク直前までは、いろいろな言葉や発声が見られますが、いよいよGスポットでイク瞬間は、言葉などは失われてしまいます。
声としては、「うむーっ!」とか、「かーーっ!」とか、「くぅーーっ!」とかの発声が中心で、「あーっ!」とか「いーっ!」などはその瞬間には、まず、聞かれません。
全身に充血が見られ、顔なども、分娩時同様、醜いほどに赤くなります。
これも、固縛を避けた方がよい理由です。
激しい血流がロープで阻害されると、思わぬ事故に繋がる危険があるからです。
醜と美が紙一重というのも、こんな時に初めて納得できます。
Gスポットで初めてイッタ女性に感想を聞くと、大抵、「何だかもう何も分からなかった…」とか、「ただただ、もう、凄いばかりで…」とか、「今までとは全然違っていて、何て言ったらいいのか…」などと、表現の言葉に窮してしまうのが普通です。
よく「頭の中が真っ白になった」とか「ふわふわ宙を浮いている感じ」とかいう感想が、SMビデオのインタビュー場面で出てきますが、あれは、まだ本当のGスポット体験ではないと解釈できます。
Gスポット感覚の経験をある程度積んで初めて、「気持ちがいい」とか「最高」とかいう、価値を含んだ、客観的な表現が出来るようになってきます。 |