バイブと膣口の粘膜と擦れ合って、挿入開始時にかなりの抵抗があり、場合によっては女性が苦痛を訴えることがあります。
そこで、ゼリー付きのコンドームを被せることをお勧めします。
Gバイブの表面にローションを塗るという方法も考えられますが、ローションだと、潤滑の度合いが強すぎて、せっかくの表面の凸凹の効果が出なくなってしまいます。
また、挿入前の前戯を丹念に行い、愛液の分泌を十分に促した後に挿入…という、バイブレーター挿入の際の常道も考えられますが、以前から強調しているようにGスポット責めにはそれ自体かなり時間を掛ける必要があるため、前戯に時間を掛けすぎて、体力や精神力を消耗させ過ぎるのも考えものです。
しかも、愛液がまだほとんど出ていない状態から始めて、膣内を攪乱し、強制的に愛液の分泌に導き、同時に、それまで埋没していたGスポットを隆起させる、というそのプロセスにこそ、Gスポット責めの面白さの少なくとも半分はあることを考えると、最初からローションをまぶしてしまっては、Gスポット責めの効果を半分放棄してしまうことにもなります。
やはり、ゼリー塗布コンドーム装着、というのが一番です。
ローションと違って、コンドームの表面のゼリーは、乾燥が早いので、ぐずぐずせずに手際よく挿入することが大切です。
その際、Gバイブの電源はオフ状態で行うことがポイントです。
というのは、前回も説明したように、Gバイブは、電源をオンにすると、「SWING」スイッチが「MIN」でも、小振りながらも強力なスウィングを始めてしまいます。
挿入開始時から、先端が首を振るというのは挿入する側にとっては狙いが定めにくいし、される側にとっても、もっとも敏感な開口部の粘膜を馴れないうちからこね回されるということになり、苦痛の方が快感を上回ってしまいがちです。
ですから、最初はスイッチをオフにして、丁寧に静かに挿入していきます。
さて、挿入時の体位ですが、大開脚仰臥位がベストです。
男性側は、大の字に開脚された膝の間に跪いて割って入り脚を閉じられなくしてしまいます。
これなら挿入時の股間の抵抗は最低にすることができます。
足をロープで固定する必要はありません。
前回も強調した通り、Gスポットでイク時の全身の力の漲り方は並大抵ではないので、足首とか膝とか、たとえ太めのロープでも、狭い面積に負荷がかかる固縛は極力避けるべきなのです。
腕や手も自由にしておくのがよいでしょう。
SM初心者だと、手足を自由にしておくと、暴れて抵抗し、なかなかうまくいきませんが、本シリーズで対象としているSM中級者ともなれば、外的に縛られなくても、バイブレーターを手で払いのけようとする…などという馬鹿な真似はしないはずです。
それに、手首、足首がロープで固縛されていると、後で説明するような、俯せ姿勢への展開、転換が不可能でないにしても、非常にやり難くなって自然な流れが中断してしまいます。
ただ、両腕は、手を組んで頭上に伸ばす、あるいは、後頭部で掌を組ませて頭の下に敷かせる…
など、両手、両腕の束縛感を醸し出すことは必要です。
こうしたポーズを取らせることで、「縛られていなくてももう何も抵抗できない…」という被虐感に追い込んでおくためです。 |